看護師の職場はさまざま

現在、全国にはおよそ100万人以上の看護師がいると言われています。そのうち約六割が病棟勤務の看護師であり、診療所と呼ばれる個人の医院などに勤務する看護師も約二割ほどいます。ちなみに、一般的に言う「病院」とは個人の経営する小さな医院でも都会にある大きな大学病院でも指す言葉ですが、厳密には「病院」とは患者のベッド数が20以上の医療施設を指し、ベッド数が19以下または全く病床がない医療機関を「診療所」として区別しています。さらに、それ以外にも福祉施設や老人介護施設、訪問看護ステーションや企業、研究機関で活躍する看護師もいます。

<2011年 看護師の就業場所別就業者数(抜粋)>

総数 1,406,704

病院 901,342
診療所(クリニック) 293,059
老人介護保健施設 42,666
訪問看護ステーション 30,635
看護師養成学校・研究機関 13,801

※数字は看護師、准看護師を合わせた総数

(出典:日本看護協会「平成24年 看護関係統計資料集」より)

これを見るに、やはり圧倒的に「病院」に勤務する看護師が多く、診療所と比べても三倍ほどの差があることが分かります。特に最近では少子高齢化や在宅医療のニーズから老人介護施設や訪問看護ステーションで働く看護師も多くなってきています。看護師といえば病院で働くものというイメージですが実際にはもっと幅広く働く場があります。また、最近では常勤以外にも病院でパート勤務をする看護師や検診会社に登録するような働き方もあり個人の生活スタイルに合わせた働き方もできるようになってきています。

【看護師のキャリアアップ】

普通の会社員などと同じように看護師もキャリアアップが可能です。同じ看護職としてのキャリアアップであれば、看護師長、副看護部長、看護部長と職位を上げることもできます。看護師長や看護部長になれば看護技術だけでなくスタッフをまとめる管理能力も必要となり、他にも看護部全体の管理や予算、人事といったことも仕事となります。

それ以外でも、看護師の資格が前提となっている保健師や助産師へと進むことも可能です。保健師は役所や保健所で公衆衛生を担当する役職で地域の人たちの病気の予防に携わる仕事です。保健師になるためには看護師免許を取得した上で保健師国家試験に合格しなくてはいけません。一方、助産師になるにも看護師免許が必要です。看護師免許を持った人が養成学校で一定の勉強をしてから助産師国家試験を受け助産師となります。看護大学では専門のカリキュラムを持っていて看護師免許と同時に保健師または助産師の国家試験を受けられるようなシステムになっているところもあります。

また、看護師として特定の分野の専門性を伸ばし、認定看護師や専門看護師となる形のキャリアアップもあります。医療が高度化、多様化する中で高い看護技術を身につけたスペシャリストとしての看護師も求められています。認定看護師や専門看護師になるためには一定の実務経験を積んだ後で認定審査を受けなくてはなりません。これらは五年ごとに更新審査もあり、自分の専門分野をより深めていきたいと思う人にはうってつけの道です。

他にも自ら訪問看護ステーションを開いたりケアマネージャーの資格を併せ持つなど様々な方向へキャリアアップすることができます。このように、看護師と言っても単に病院や診療所で仕事をするだけではないのでやる気や向上心を持って働きたい人には向いている仕事だと言えます。